その日、陰性水草は思い出した。
有茎草に支配された水槽だということを。
人の手によって活着させられていたという屈辱を。

解き放たれた未活着、浮遊ミクロソリウム。
我々陰性水草がなぜ活着するか知ってたか?
有茎草に奪われない急流で繁茂するためだ!
そのためなら成長スピードなど惜しくなかった・・・。
それがたとえわずかな前進だとしても。
*発言株:ミクロソリウムspサンダーリーフ
ミクロソリウムがいつか、
この水域を埋め尽くす日が来るのなら、子株など惜しくなかった。
有茎草が出現して以来陰性水草が有茎草を影に追いやったことなど一度も無い。
有茎草が伸びる分だけ、陰性水草は日陰に追いやられ繰り返し光を奪われ続けてきた。
しかし、この未活着浮遊ミクロソリウムが成長した時、陰性水草は初めて有茎草から光を奪い返すことに成功する。
その時が陰性水草が始めて有茎草を覆い尽くす瞬間であろう!
それはこれまで陰性水草が奪われてきたものに比べれば例えようもなく小さな物かも知れん。
しかし、その一歩は我々陰性水草にとっての大きな進撃になる!!
*発言株:ミクロソリウム・プテロプス

この葉は永久に!ミクロソリウムの繁茂のためなら葉緑素を捧げると誓った株!
それゆえに緑が果てるのなら本望!
陰性水草の力と残存するミクロソリウムの子株が組み合わされば、この水槽の奪還も不可能ではありません!
せめてもの間に、未活着浮遊ミクロソリウムの戦術価値を説きます!
ミクロソリウムの力を思い知れ!!
*発言株:ミクロソリウム・トライデント今から何十億年も前、陰性水草にある天敵が現れた。
有茎草と陰性水草には圧倒的な成長スピードの差が存在し、たちまち陰性水草は日陰に追いやられた。
生き残った陰性水草たちは「低光量」「Co2添加不要」「ドボンするだけ」の3つの壁を築き、水槽の日陰という地位を獲得した。
*「ミクロソリウムの歴史」より抜粋

戦え!戦うんだよ!!勝てなきゃ・・・枯れる。
勝てれば光合成できる。
戦わなければ勝てない・・・。
今度は陰性水草の番だ。
今度は陰性水草が、有茎草を覆い尽くしてやる!!
*発言株:ミクロソリウム・フォークリーフ
何かを変えることのできる陰性水草がいるとすれば。
その陰性水草はきっと、大事な葉緑素を捨てることができる陰性水草だ。
*発言株:ミクロソリウム・ウィンディロブ
水域は残酷だ、そしてとても美しい。
*発言株:ミクロソリウム・ナローリーフ
(この記事はフィクションです。実在するミクロソリウム、有茎草、陰性水草、水槽管理者は存在しません)