レイアウトを考える②


どうも、おはこんばんちは。

前回のレイアウトを考える①はいかがでしたでしょうか。

前回、次回の記事はこちらからどうぞ。
レイアウトを考える①
レイアウトを考える③




あまり日をおかず、連続して記事にしたほうがいいかなと思い、早速ですが第二回目を書いていきたいと思います。


さて、今回も

単純化してレイアウトする

という技法を用いてレイアウトを考えて行きたいと思います。


今回のお題は凸型構図です。

これは水槽中央を派手に飾り、水槽の端から先にどこまで広がる広大な自然をイメージさせる構図として用いられています。


それでは前回に習って、前提条件等を記載します。

目標
☆インパクトのある美しい水景

前提条件
①60×30×36cm水槽。
②底床は前景部分の厚さが3cmとする。
③水草などは順調に成長する。
④ヒーターは水槽内に配置する。

以上を前提条件とします。


それでは早速ですが、こちらが完成予想図となります。



前回の三角構図よりも若干ゴチャゴチャ感がましているかもしれません。

単純化してレイアウトを考えるデメリットは、このようにパーツ数が増えると重なる部分が多くなってしまうという部分にあります。

小型の水槽でこじんまりとレイアウトするには、パーツ数が少なく済むのでこのようにはならないのですが、水槽が大型化すればするほど逆にパーツ毎を把握し辛くなってしまうのです。


三角構図のレイアウト時には情報量を多くしすぎて混乱を招かないように、メリットのみで話を進めました。

しかし今回は2回目ということで、デメリットにも触れつつそういった重なり合ってしまう部分の対策も記事にしていきます。


ただし、あくまでもこれは単純化したモデルでお話をするうえでのデメリットですので、実際に水草を植栽する段階になれば見た目の違いや、遠近でこのように重なった部分が~・・とはなりません。

これらを踏まえた上で、続きをどうぞ。




こちらが60cm水槽の単純化モデルです。

黒丸はヒーターとします。

ちょうど向かって水槽の側面に沿わせるように設置していると考えてください。

ヒーターのコードなどもあるかと思いますが、できる限り奥に設置できるよう工夫して配置してください。


一見すると目立つ場所に設置しているように感じますが、中央をメイン舞台とする凸型構図において、この側面というのは意外と目に入りにくい場所になります。

中央付近に設置して、素材が重なる場所にヒーターを設置すればいいのでは?と思われるかもしれませんが、ヒーターにはコードが存在しますよね。


これが意外とネックで、今回のレイアウトにおいて中央に水面に向かって伸びる人工物があるとそれがポイントとして悪目立ちしてしまうのです。

また、水草の茂みが育てば自然と気にならなくなるので、とりあえずこの位置で始めます。

(この後の画像にはヒーターが表記されていませんが、気にせず読み進めていただけますと幸いです)




それでは例の如く後景草から考えて生きます。

今回は茂みをあえて二つ作りました。

水草の種類はそれぞれ別々の物でも、同一種でもかまいません。

ここで重要になるのは左右のバランスです。


凸型構図の場合、中央を目立たせるんだから水槽のど真ん中にレイアウトを組めばいいんでしょ?と思われている方がいるのですが、これは大きな間違いです。

左右のバランス比が同じような水景はまるで鏡に反射させた世界のように、単調でメリハリのない印象になってしまいやすく、ズバリ飽き易いです。


画像のように茂みのサイズ感や、植栽位置を若干左右どちらかにずらすことでメリハリのある水景を作れます。

今回は左重心のレイアウトを組んでいきますが、これは好みによるのでどちらでも好きな側に少し寄せるイメージを持ってください。

(その際、ヒーターは重心が寄っている側に設置することでさらに左右の重さバランスをずらすことができます。また、悪目立ちさせないためにも水草などを多く茂らせる側に置くべきです)




三角構図でもそうでしたが、同じ色同士が重なっていると単調過ぎるので挿し色を入れます。

参考までに、凸型構図に限りますが、一番中央に来る水草はなるべく真っ直ぐ垂直に生長するタイプの水草を選択すると良いでしょう。

凸型構図なのに、横方向にベチャーっと広がってしまう水草ばかりだと水面までの空間がもったいなさ過ぎるというのが理由です。


かと言って、ただただ水面まで伸ばしっぱなしにしているのではレイアウト崩壊待ったなしですので、低床を底辺とした二等辺三角形をイメージしていただいてトリミングしてみてください。

ここは不等辺三角形ではないのかと指摘を受けそうですが、すでに植栽位置などで比重をずらしている上に、さらにトリミングまで比重をずらして切ってしまうとくどくなり過ぎます。


あくまでも、バランスを整わせるためにはどちらかに偏り過ぎないという管理も大切なのです。

(天才肌の人はこってり濃密に同じ手順を繰り返してトンでもないインパクトの水景を作ったりするかもしれませんが、初心者の方はとりあえず基礎をしっかりと楽しんでください)



そうしましたら、凸型構図のメイン流木をドーンと配置しましょう。

この配置も本当にわずかでいいので、中心より少し左右にずらしてください。

形状によっては大きな塊などになっている部分が中央に来てしまうかもしれませんが、流木の頂点となる枝部分などが中央に来てしまわなければ大丈夫です。


凸型構図において、目立つのは枝先で下に下がれば下がるほど他の水草や素材の影に隠れてしまいます。

末広がりになっていく関係上、低床付近の比重はど真ん中に来てしまっても気になりませんのでご安心ください。



ここまでで意識してもらいたいのは上の画像で表記した赤丸の余白部分です。

この様に、左右の空間バランスを崩すことで不均等さをより強調できます。

合わせて、水槽内全域を水草などで覆ってしまわず、あえてこれくらいの余白を作ることで左右や上方向への抜けをつくり、水槽内を大きく見せることができます。

ぜひ試してみてください。



ここまでできれば凸型構図は出来上がったともいえます。

中景草も左右の比重をずらして植栽してください。

今回は左重心ですので、中景草に選択した水草の茂みでもっとも大きくなるものが左下に来るよう育ててください。




例の如く、挿し色&他の水草の下に隠れても大丈夫なように耐陰性の強いクリプトコリネなどがいいと思います。



右下の茂みは左下の茂みとして使った水草と同じ物でも、違う物でもかまいません。

トリミングによる大きさの比重でバランスをとりましょう。




ここでメイン流木に負けないようなインパクトのある水草を中景に植栽してもいいでしょう。

育てやすさなども考慮すると、アルテルナンテラレインキーやルドウィジア・スーパーレッドなどが候補になるかと思います。

育成に自信有りの方はアルアナの夕焼けなどが大変インパクトも出しやすく、管理人的にも好きな水草なのでオススメです。




最後は前景草を絨毯に育てれば完成です。

(あくまで水草が順調に育つという前提条件があるからこそのはしょり具合です)


いかがでしょうか。

三角構図とは違い、配置するバランスを考慮しないといけない凸型構図は少しだけレイアウト技術が必要になるかもしれません。

ですが、手順を追ってパーツ毎考えていけばそれほど複雑ではなく、なれると三角構図よりも印象的な水景を作りやすい構図だと思います。


ここでも意識して欲しいのは単純化です。

最終的な終着点がどれほど重複した部分が増える構図だとしても、難しく考える必要はありません。

一番最初に完成図を見せたかと思いますが、最終的にもう一度完成図を見るとどの部分がどのパーツか判断できるようになっているかと思います。

この積み重ねをこなすうちに、より複雑怪奇な素材たちをジグソーパズルを組み上げる時のように綺麗にはめ込んでいけるようになります。


ぜひ単純化してレイアウトを楽しんでみてください。



最後になりますが、派生系のご紹介をします。




管理人がこのレイアウトを引き継ぐとしたら、左重心の凸型構図に対して、あえて右に3本、左に1本の割合で枝上流木を追加します。

こうすることで、余白として残してある上方向の空間をうまく活用できるだけでなく、比重が偏りすぎるのを防げます。



流木の接続部分や、枝の先には水草を配置していきます。

中央の水草に挿し色として色の濃い&なるべく垂直に育つ水草を選択している関係から、メイン流木に活着させる水草は丸系の葉を着けるアヌビアスがいいかと思います。

あくまで凸型構図なので、枝状部分が悪目立ちしないようウィローモスなどの脇役をちょっとだけ足すとより自然観を増しながら違和感無く水景に紛らわせることができます。


また、左の流木には右と色味の違う水草を活着or巻きつけましょう。

維持が難しいのでなかなか浸透していませんが、アルテラナンテラレインキーなどの有茎草も糸で流木などに巻きつけておくと育てることができます。

豪雨、濁流などで土壌から引き抜かれるたび枯れていたら水中では繁殖できないでしょうから、引っこ抜けてしまっても水中根で生きていけるのは当然の摂理ですよね。


管理方法としては液肥の添加による維持になります。

なのでコケの生え具合を見ながらバランスを維持するテクニックが必要になるのですが、流木で繁茂した有茎草もこれはこれでネイチャーな印象を与えてくれるのでぜひチャレンジしてみてください。



さて、今回はここまでとします。
また次回の記事で。
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思いのたけを走り書き。

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